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今までは東西で同日に牡牝混合のレースとして行われていましたが、関東の「Aステークス」はレース名そのままで牡馬および騎馬の限定レースに、関西の「Hステークス」は「Hステークス」として、牝馬の限定レースになりました。 つまり、牡牝の路線がそれぞれ確立したわけです。
そして、その第一回を勝ったのが、牡馬はM、牝馬はNでした。 この2頭は後にそれぞれ「S賞」と「ダービーヘ「桜花賞」を勝つのですが、まずは、ニシノフラワーの蹄跡をみることにします。
まずデビュー戦は1000M(ダート)で1着。 新馬戦は能力のある馬から勝ち抜けていくレースですから、これでまず一つ資格を得たことになります。
レースでの資格を得たわけですが、その後で3か月の休養をとっています。 これは大事なことです。
サラブレッドを生物学的に研究している科学者が書いているものを読むと、サラブレッドの脚部というのは、1年に1、2回は休ませないと、いわゆる脚部不安を発症するものであり、また、それは3か月ほどの休養で回復するものなのだそうです。 ですから、特に脚(ダート)部不安を発症していない場合でも、何回かレースを使った後は3か月ほど休養させるというのが、理に適ったやり方なのだということです。
こういうことは当然、主催者は熟知しているわけです。 だから番組も、きちんと使っていればちょうどいいあたりにぴったりの距離、条件のレースがあるように組まれているのです。
NはG重賞の資格を得たところで、無理をせず休養に入りました。 そして3か月後に、また1ハロンだけ延びたG2重賞に出走し、優勝しました。

距離とグレードがきちんとしたローテーションのもとに徐々にあがっていき(延びていきてそこで好成績(優勝)をあげているのだから、中4週で臨む3歳最後のレース、G1の「Hステークス」では当然、勝つ資格を持っていたわけです。 ここで勝って、Nは「唯一頭」のG13歳牝馬になりました。
これは後述するMも同様です。 Mは「Aステークス」を勝って、「唯一頭」のG13歳牡馬になりました。
つまり、少なくとも牝馬は「桜花賞」、牡馬は「S賞」までは、同期で唯一頭という位置についたことになります。 牡馬と牝馬を分けてG1レースにした意味がここにあります。
見事なホップ(G3)、ステップ(G2)、ジャンプでG1馬になったNは、それからまた3か月の休養をとり、次のG1重賞に向けて、いわば仕切り直しをしました。 これもまた大事なことです。
グレード制になって、特にG1レースに向けてのステップは重要になっています。 トライアルとしてのG回、G2レース(あるいは指定オープン)を無視して、G1レースに勝つ資格は得られないのです。
軸馬探しの基本は賞金値Nも「桜花賞」に向けて、ステップを踏みました。 本番と同じ距離、本番までに中3週の指定オープン、「チューリップ賞」に出走したのです。
ここでは優勝を逃したものの、休み明け8キロ増の余裕残しの体で2着と好成績をあげました。 「桜花賞」はすでに勝っている1600MのG1レースです。
きちんとステップも踏んできたとなれば、Nには他のどの馬よりも勝つ資格があります。 このように、Nは「桜花賞」に向けてベストともいうべき道をたどってきたのです。
しかし、一目瞭然ですが、「オークス」に向けてのステップがそれまでの過程とはまったく異なっています。 秋には「スプリンターズステークス」を牡の古馬相手に勝って、ベストスプリンターとして揺るぎない評価を得たNだから、距離が合わなかったそれだけではなかったことを、この表は示しています。

それ確かですが、3冠すべてに主役だったMのデビュー戦から寸K賞」までをN同様に表したものです。 Mは「朝日杯3歳ステークス」を勝った時点では、まだクラシック路線を進むものかどうか陣営は決めかねていたといいます。
マイラ!としての資質はG1レースを勝って証明されていましたが、血統的にそれ以上は無理ではないかと思われていたからです。 しかし、ミホノプルボンはまず1800MのトライアルG2レースを圧勝し、みずから距離の適性を証明してみせました。
2000Mの「S賞」をやはり圧勝、2400Mの「ダービー第2章軸馬探しの基本は賞金値ローテーション袋距貫主1戦目2戦目3戦目4戦を勝つ資格を得たわけです。 4か月半休養後、「K賞」のトライアルである2200MのG2レースを勝つ資格があったのは、すでに2400MのG1レース(それも主催者が最も重要視する「ダービー」)を勝っていたのだから当然でした。
番組上のローテーションをきちんと守っての一等賞とあれば、本番でも勝つ資格は得られます。 結果は2着でしたが、他馬にハナを奪われて自分のレースができずにいながらの2着は、実力の証明であり、桜花7賞宅配着を確保することで軸馬としての役割も果たしました。
これが変則的な使われ方だったり、短いところを使われできたりというのであれば、2着もなかったはずです。 距離適性は馬の個性もあり、血統論だけでは片付けられない問題です。
各馬の資質についての詳しいデータを持たない私たちファンは、その馬の血統と成績で推論するしかないわけですから、そのためには、番組上のローテーションにそった使われ方をしているかどうかを調べることが、大事な鍵になります。 きちんとしたローテーションが大事だということで、ついでにSについても述べておきましょう。
Sのデビュー戦から「有馬記念」までを前述の2頭と同じように表しました。 デビュー戦から札幌3歳Sまでの3連闘、3歳時に7戦というハードスケジュールもさることながら、3歳時から4歳の暮れまで口戦して休養なしというのは、そもそも生物学的にいって無謀です。

また、G1レースに向かうステップもきちんとしていません。 1600Mの「桜花賞」の前に2000Mの「Y賞」を使う必要はまったくありません。
このレースははっきりと「S賞トライアルという位置付けがなされているレースであり「桜花賞」トライアルは別にちゃんと設定されているのです。 さらにいえば「札幌記念」で2000MのG3レースを勝ったのだから、次は(「エリザベス女王杯」を狙うなら)2000M以上の距離のレースを使うか、G2レースにステップアップするべきでした。
わざわざ同格、同距離のレースを使うことはないのです。 むしろ、ここで休養をとって、秋に備えるべきでした。
ここで休んでおけば、4歳牝馬の路線に戻って「サフアイヤS」勝ちから3戦目でG1の「E女王杯」を迎えることができた、つまり、勝つ資格を得られたかもしれないのです。 「E女王杯前、「ローズステークス」を使ったことで、SのT騎手の「使い過ぎて調子が下降している」という意味の発言が物議をかもしましたが、トライアルの「ローズステークス」を使ったことよりもむしろ、問題はそれ以前の夏にあったのです。
下級条件の馬ならば、調子のいい時にテンポよく使っていけばいいのですが、重賞を勝つためには、目標を定めて、それに向かっていくローテーションが大切です。 調子がいいからといって、自の前の餌は何でも食べていいというものではありません。
Sは力はありながらG3レースしか勝てないまま、競走生涯を終えることになってしまいました。

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